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wood report

Photo:Kengaku Tomooki

カリモク家具が
一貫して取り組んできたこと、
それは、森との共存です。

1940年、現在の愛知県刈谷市で木工所として創業したカリモク家具は、1962年より家具の製造と販売をスタートしました。「木とつくる幸せな暮らし」というグループミッションのもと、家具をはじめとする木製品を世に生み出してきました。長きにわたるカリモク家具の歴史の中で、一貫して取り組んできたのが「森との共存」です。伐りだされた木を調達し、家具をつくることが、なぜ森と生きることにつながるのか。カリモク家具のものづくりと森の関係について、ひも解いていきます。

  • 美味しい水をつくる
  • 生物の多様性を守る
  • 美しい空気を保つ
  • 地球温暖化防止
  • 災害を減らす
  • 海の豊かさを保つ

日本の森林率は、約67%。
豊かな森の恩恵を受けて
私たちの暮らしは成り立っています

日本の森林率は、約67%。先進国の中でも、フィンランドに次いで第二位と、森林大国と言えます。しかしながら、木材自給率は約40%。一度人が手を入れた森は、伐採を含めた適切な管理を行わなければ、土地が痩せてやがて荒廃してしまいます。国産材の活用が進まない背景には、外国産材の加工のしやすさや価格競争力などがありますが、日本の森が多種・少量の木々で構成されていることも関係しています。南北に長い日本には約1200種の樹木が存在します。スギやヒノキの人工林以外の森では同じ樹種がまとまって生えていることは少なく、出材される樹木は種類も特徴も多様です。カリモク家具では、10年以上前からその課題に着目し国産材の活用に取り組んできました。

Photo:Kengaku Tomooki

日本全国30カ所の森で約60種類の木材を調達。
乾燥から家具づくりまでを
一貫して行っています

カリモク家具は、北海道、秋田県、愛知県と国内に3箇所の資材工場を持ち、その敷地内には、天然乾燥中の板材が積みあがっています。それらの板材は、全国30カ所に及ぶ森から調達されています。家具に有用とされるナラ材やクリ材などがその多くを占め、カリモク家具の製品に多用されています。一方、一般的には家具づくりに不向きとされる木材も調達しています。たとえば、ヒノキなどの針葉樹や、丸太の末口径が25cm未満の「小径木」と呼ばれる木材がそうしたものです。同じ種類、一定の径級の木材を数多く仕入れたほうが生産性は上がります。しかし、それでは森の多様性を維持しながら持続的に家具を生産することはできません。「多様な木材から家具をつくる」ことが、私たち木製家具メーカーであるカリモク家具の考える「森との共存」のかたちです。

資材調達MAP

表の見方

地域 【岐阜県】
定番製品で使用 ◎ナラ・クリ
使用実績あり サクラ・ブナ・クルミ
調達歴あり ホオ・キハダ・ハンノキ

地図

小さくても、曲がっていても。
木の個性を生かした
家具づくりに挑みつづける

たとえばスギやヒノキなどの針葉樹は、建材として大変優秀な木材ですが、柔らかく、細かな加工や強度が求められる家具には不向きとされています。全国各地から調達した木材の中には、そのような針葉樹をはじめ、加工に手間がかかる小径木、曲がり材、虫食い材、そして、柔らかく家具づくりに不向きな広葉樹材など、実にさまざまな木材が存在します。それらを、カリモク家具の高い加工技術とデザイナーたちのクリエーションを掛け合わせ、ウィークポイントから「個性」へと変換し、人々の暮らしを支える家具として世に送り出しています。人と森、家具がサステイナブルで幸せな循環を描くために、私たちは「正しいものづくり」を進める役割を担っています。

TECHNIQUES

01 未利用材を使う

短尺材や端材を活かす
「フィンガージョイント」

「フィンガージョイント」とは、材料を縦方向に継ぐ技術の一つで、接合面をジグザグに加工して接着することで安定した強度を保つことができる技術です。節が入っていたり、曲がっていたりと、必要な長さが取れない木材の活用に用いられます。ジョイント部分の丁寧な加工は、意匠的な美しさをも兼ね備えます。

[使用コレクション]
Karimoku New Standard、石巻工房 by Karimokuなど

02 針葉樹を使う

針葉樹ならではの木目を生かした
「小幅集成」

針葉樹は広葉樹に比べて木目がはっきりとした木材で、また節が大きいのも特徴です。一般的に好まれる、節がなく幅の広い無垢の板材を調達するのは容易ではありません。カリモク家具では節を避けて、小さな幅で木材をカットし、それらを再構成して一枚の柾目板のように仕上げ、家具部材として用いています。

[使用コレクション]
MASなど

03 個性の多い材を使う

表面に薄い木材を貼る「挽板加工」

「挽板」とは木材を3mm程度に薄く加工したものです。節が多い材やシミの多い材などの個性的な材を中芯材にして、表面に仕上材として「挽板」を張り込むことで、無垢材本来の量感と巾ハギ材の質感を両立しています。木本来の価値をそのままに、かつ材料を有効に活用する技術です。強度担保や軽量化を目的とした異樹種接着にも取り組んでいます。

[使用コレクション]
Karimoku New Standard、Karimoku Case Study、
石巻工房 by Karimoku、MASなど

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Photo:Kengaku Tomooki

木を伐って、使ってこそ森は育つ。
これからも愛される家具を
つくり続けます

世界情勢も相まって、今後、世界の木材調達はさらに難しいものになると予想されています。カリモク家具では、長きに渡り取り組んできた日本国内での木材調達の実績から、これらの影響を最小限に抑え、ものづくりを続けています。私たちは、これからも未利用材の活用をさらに加速させ、持続可能なものづくりを行いながら、健全な森の育成に貢献していきます。

森林環境譲与税

カリモクでは適正な森林経営・健全な森づくりに役立てるよう、森林環境譲与税の使い道として国産木材を活用した家具をご提案しております。自治体の皆様のご要望をお聞きしながら最適な案を提示させていただきます。

森林環境譲与税を活用した納入事例

市・区・町・村のご担当者様へ

カリモクは、森林環境譲与税の活用法として、
国産木材を使用した家具や空間づくりをご提案します。

取組ページへ

地域材

国産材の利用量拡大に向けて、地域材の利用もすすめています。企業・自治体等さまざまなステークホルダーに対して地域材を活用した家具をご提案しております。

  • 〈サントリー天然水北アルプス信濃の森工場〉
    敷地に生えていたアカマツ材を使用

    事例ページ

    PROJECT STORY

  • 〈ブルーボトルコーヒー 神戸阪急カフェ〉
    家具の一部に神戸市産のナラ材を使用

    事例ページ

  • 〈角文株式会社〉
    応接セットに社有林のヒノキを使用

    事例ページ

情報発信

カリモクグループでは社会の皆様とともに発展していくために、SDGs・ESGの取り組みを推進、さまざまな媒体やイベントで取り組みについてご紹介しています。

  • 〈カリモク家具 ホームページ〉
    SDGs・ESGの取り組みについてご紹介

    Sustainability 紹介ページ

  • 〈IFFT/インテリアライフスタイルリビング2021〉さまざまな樹種で製作した家具をご紹介

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MAS

MAS(マス)は、ヒノキをはじめとする国産の針葉樹を用いる家具のコレクションです。MASのデザインディレクターの熊野亘は、日本の「枡」をモチーフに、ヒノキの魅力である白木の美しさをふまえた家具を考えました。無垢の木を組む職人技と、無駄のない構造に裏づけられた枡。MASの家具もまた、素の色合いや木目が印象的で、清潔感ある佇まいをしています。

https://mas.karimoku.com/

Karimoku New Standard

2009年に設立したKarimoku New Standard(カリモクニュースタンダード)は、先進的なアイデアと優れた製造技術を融合したコレクションです。本来の価値に比べてあまり有効な利用がされてこなかった日本の広葉樹の小径木を積極的に使用し、木材の価値の再発見、サスティナブルな活用を進めています。ブランド設立時より研究・実践してきた小径木を活用するノウハウが活かされ、現在はパブリックスペースなどで需要の多い大型の家具もラインナップされています。

https://www.karimoku-newstandard.jp/

石巻工房 by Karimoku

石巻工房は、2011年の東日本大震災の直後、宮城県石巻市にできた市民向け工房が原点です。発案したのは建築家の芦沢啓治。彼は工房の簡素な設備でDIYできる家具をデザインし、さらに旧知のデザイナーたちも巻き込んで、その種類を増やしていきました。石巻工房 by Karimokuは、こうして生まれた石巻工房の家具のエッセンスを共有して、カリモクが製造するコレクションです。

https://ishinomaki-lab-karimoku.com/jp/

KARIMOKU CASE STUDY

建築という枠組みから空間を捉え、その空間を構成する家具やディテールを思い描くというアプローチが特徴のKarimoku Case Study(カリモクケーススタディ)。デザインディレクターを務めるのは、デンマークを拠点に建築から日用品までを手がけるデザインスタジオ、ノーム・アーキテクツ。ある集合住宅のため、彼らと建築家の芦沢啓治がそれぞれに発想した家具が、Karimoku Case Studyの最初のラインアップの原型になりました。

https://www.karimoku-casestudy.com/jp/

omi

オオミチェアは建築家の伊東豊雄が率いる伊東建築塾による大三島の小学校を改装した宿泊施設「憩の家」の食堂に設置するために作られた椅子です。小径木でも対応できるデザインとなっており、様々な産地材活用を図ります。

https://www.karimoku.jp/products/omi.html

HARU

HARUは、太陽の「陽(はる)」がネーミングの由来です。生命にとってかけがえのない存在である太陽。しかし、ふだんはその恩恵をことさら意識することはありません。家具もまた太陽のように、人の生活をさり気なく支えるものであってほしい。こうしたコンセプトのもとに、存在を主張しすぎることなく、どんな生活空間にも調和して、心地よい佇まいを醸し出す家具「HARU」が生まれました。
※ウォールナット材仕様は除く

https://www.karimoku.jp/products/haru.html

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