PROJECT STORY
岐阜県 本巣市役所・
新庁舎

MOTOSU CITY HALL
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karimoku

市庁舎に憩いの空間をもたらす
本巣市産の家具をカリモクが製作

カリモクでは、岐阜県本巣市の新庁舎の整備に伴う
公募型プロポーザルを経て、
「本巣市産木材を活用した家具製作業務」を担当。
市有林で伐採されたブナなどを使用するという条件の下、
限られた木材を有効活用しながら地産地消の家具を作り上げるという
新たな取り組みに挑みました。

プロジェクトに携わるメンバーたちの情熱によって
さまざまな困難を乗り越えた結果、
木製品に触れてその良さを知ることができる “ここにしかない家具”に
囲まれた憩いの空間が完成しました。

2階ロビー:市産のブナ材を使用したアームチェアとヒノキを天板に使用したテーブル。
市民のくつろぎのスペースを生み出しています。

本巣市役所
総務部総務課 庁舎整備推進室
吉村 太志 さん

市民の皆さんが集う
心地よい憩いの
空間が完成。

TAISHI YOSHIMURA

市有林の木材を活用しようと
家具製作の企画が持ち上がる。

今回のプロジェクトの概要を教えてください。
吉村 私たち庁舎整備推進室では、「自然と共生し、まち、ひと、くらしをつなぐ交流の場」をコンセプトに、親しみやすく暖かい空間づくりを目指して、市有林から伐り出した市産木材を各所に配置した新庁舎の整備を進めてきました。新庁舎では、木質内装を見せるだけでなく、木製品に触れ、その良さを実感していただきたいと考えています。そこで、木と共生する文化の継承と市産材のアピール、さらには市産材、県産材の利用促進を図りたいと思い、市産材のブナやヒノキなどを活用した家具製作の企画を公募型プロポーザルで募りました。
市産材を活用しようと思われた経緯は?
吉村 本巣市では、森林の浄化作用を保ち、水害の発生を防ぐ目的から市有地の間伐を定期的に行っています。この作業を管轄している林政課から「間伐の際に発生する市産材を廃棄するのではなく、家具の材料として有効活用できないか」と打診を受けたのが今回のプロジェクトの発端になりました。
2階待合・打ち合わせスペース:座り心地の良いチェアと肌触りの良いテーブルも市産材のブナとヒノキを使用。

建築物ともうまくマッチした
イメージ通りの家具に大満足。

カリモクの家具を採用いただいた決め手は?
吉村 公募型プロポーザルでは、あらかじめ伐採できる木材の量などをご提示したうえで、企画提案をいただきました。今回の提案が採用されたのは、より具体的な進め方が示されていたこと。また、3Dのイメージなども添付されており、完成後の市庁舎の空間が想像しやすかった点も高評価の要因だったと感じています。
今回のプロジェクトの感想をお聞かせください。
吉村 伐採した木を製材した段階では家具に使える部分が非常に限られており、「本当にこの材料から家具ができるのか」と不安に思う部分もありましたが、そこはカリモクさんを信頼し、すべてをお任せしました。その結果、建築物ともうまくマッチしたイメージ通りの家具に仕上がり、市民の皆さんに市産材を使った憩いの空間を提供できたことをとてもうれしく思っています。

限られた市産材を有効に活用するため、木目のムラや節の部分も使用。
市産材ならではの風合いを生かしたデザインにしています。

株式会社 小見山家具製作所
代表取締役社長
小見山 与志夫 さん

「オール本巣市」という
唯一無二の
コンセプトを提案。

YOSHIO KOMIYAMA

50年来の付き合いを通じて
家具製作の高い技術力を信頼。

カリモクをパートナーに選んだ理由は?
小見山 今回のプロジェクトでは、私たちが公募型プロポーザルのプラン作成などを行い、カリモクさんに実際の家具製作をお願いしました。当社とカリモクさんとのお付き合いはすでに50年ほどになります。岐阜県庁内の家具を作成する公募型プロポーザル案件でもご一緒させていただきましたが、カリモクさんの技術力に全幅の信頼を寄せており、今回も安心してお任せすることができました。
提案のポイントについて教えてください。
小見山 カリモクさんは、本巣市内に2つの工場を置き、長年にわたり本巣市内で家具を製造されてきた実績があります。そこで今回のプロジェクトでは、改めてカリモクさんの岐阜工場とタッグを組むことで、「材料から製造までオール本巣市」という他にはないコンセプトを打ち出したところ、審査員の皆さんから高い評価をいただきました。本巣市が掲げる「自然と共生し、まち、ひと、くらしをつなぐ交流の場」というテーマにもうまく合致したプランが提示できたと思っています。
1階市民スペース:床や天井などにも使用されている市産材。
木を生かしたナチュラルな空間をコーディネートする、
市産材ブナのチェアとヒノキのテーブル。

これからもカリモクと一緒に
地域産材の活用を広げていきたい。

プロジェクトを通じて印象に残ったことは?
小見山 私たちが乗り越えなければいけない最大のポイントは、市産材の量が限られている点でした。ただ、根曲がり材などもうまく活用しながら、家具を製造できる技術を持っているのがカリモクさんです。営業担当の小山さんには色々とわがままを言うこともありましたが、互いに信頼関係を築けていたことが、プロジェクトを成功に導くことができた一番の要因だと感じています。
今後の展望についてもお聞かせください。
小見山 本巣市でのプロジェクトを一つのモデルとして、カリモクさんと手を携えながら地域に眠るさまざまなニーズを掘り起こしていければと考えています。同じような取り組みを行える市町村は全国にたくさんあるはずですから、地域産材の新たな活用の仕方をさまざまな自治体に提案していければと思います。

本巣の木が
カリモクの家具になるまで

本巣市役所 新庁舎

住所
岐阜県本巣市早野255番地
公式ホームページ
https://www.city.motosu.lg.jp/

2022年9月に着工し、2024年7月16日にオープンした本巣市役所新庁舎。誰もが使いやすく親しみやすくなるようにと1階に市民の利用頻度が高い窓口を集約。総合案内やコンシェルジュの設置、事前申請・申請書作成支援システム、セミセルフレジなどの機能を充実させ、4つのない(迷わない・書かない・動かない・待たない)によるスムーズな手続きを可能にしています。また、市民の安心・安全な暮らしを守るため、耐震性能はもちろん、防災に関する機能や設備なども充実。太陽光発電パネルを設置することで、庁舎全体のエネルギー消費量を大幅に削減するなど、環境負荷を意識したゼロエネルギー庁舎を目指しています。

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