Karimoku Back Story

Back Story 1

カリモク家具株式会社
コントラクト営業部 
中部グループ

小山 浩之

KOYAMA HIROYUKI

KOYAMA HIROYUKI

市産材の絶対量が少ないなかで
工夫を凝らし、理想の家具を形に。

私たち営業は通常、家具の材料まで深く関わる機会はほぼありません。ただ、今回の案件では、本巣市産の材料で家具を作ることがミッションであり、肝となる材料調達の窓口役を自ら担いました。

特にブナ材は数量が非常に限られており、各工場に問い合わせながら資材部門の知多カリモクに試算を依頼。するとブナ材が絶対的に足りないことが判明したのです。そこで強度が必要な脚部分などに優先的にブナ材を使い、量が確保しやすいヒノキを天板に使うなど限られた材料を有効活用することで求められる数量納品することができました。

今回のプロジェクトは、今後の営業活動の大きな糧になったと感じています。手探りのなかで関係各所に声をかけ、人の繋がりを作っていく過程にやりがいを感じました。また、ヒノキでも家具として十分機能することが実証できた点も大きいと思います。全国には家具に使える広葉樹がほとんどない都道府県も多いなか、本巣市の事例をモデルケースとして今後は針葉樹を活用したプロジェクトなども増やしていければと思います。

1階待合スペース:誰もが気軽に座れる、市産材を使用したベンチソファ。
2階執務室
デスクには本巣市産ヒノキを使用。
木目も美しい存在感あるデスクに。
2階執務室
デスク・サイドチェストは本巣市産ヒノキを、椅子の木部には本巣市産ブナを使用。

Back Story 2

知多カリモク株式会社
生産管理課

小林 隆

KOBAYASHI TAKASHI

KOBAYASHI TAKASHI

広葉樹に価値を付けることで
日本の林業を盛り上げたい。

日本国内の林業は、北海道・東北地方を除けば針葉樹を使うのが一般的で、広葉樹は燃料やチップになっています。適切に枝打ちなどが行われていないため、節などが多く、長尺の木材を取ることも難しい。主にカリモクが家具に使う広葉樹は、北海道・東北の上質なグレードを使っています。

今回使われた本巣市産のブナは、カリモクが通常使用しているグレード分けされた材料とは異なり、市産材の量自体も限られていたため、根曲がり材なども有効活用しなければならず、細く切ったものを合わせて1枚の巾ハギ材を作る工程などに多くの時間を割きました。

カリモクは木を使って仕事をさせて頂いています。林業に携わる人が幸せにならなければ、私たちの事業も続きません。今回のような地産地消プロジェクトを通して、これまで低価値だった広葉樹に付加価値を付けることで、日本の林業を盛り上げる一助になればと思います。

大型の板材から用途に応じて必要な部分を切り出す。
本巣市産のブナの木は、ゆったりとくつろげるチェアに。座り心地はカリモク品質。

Back Story 3

岐阜カリモク株式会社
生産管理課

髙木 陽平

TAKAGi YOUHEI

TAKAGi YOUHEI

現場と密に打ち合わせを重ね、
限られた木材を無駄なく使う。

家具づくりにあたっては、同じ工場で既存の製品を同時に製造しているため、材料が混ざらないように細心の注意を払いました。また、普段は使わないような節がある木材に対して、現場から「これを本当に使っていいのか?」といった声が上がることも多く、市役所の了承を得ていることを伝えたうえで、その都度打ち合わせをしながら丁寧に作業を進めていきました。

最初に話を聞いた時は、本巣市で家具用の材料が採れること自体に驚きましたし、SDGsを意識した素晴らしいプロジェクトだと感じました。ただ、貴重な材料で家具を作らせていただけることにメーカーの一員として喜びを覚える一方、「材料を少しも無駄にできない」という大きなプレッシャーも。無事に納品できた今はホッとしています。

今回のプロジェクトを通じて、カリモクが限られた資源を使って家具を製造していることを再認識させていただきました。こうした取り組みを多くの方に知っていただくとともに、これからも家具を通じてサステナブルな社会の実現に貢献していければと思います。

市産材ブナの木目をいかす塗装。
本巣市産カリモクチェアはナチュラルモダンテイスト。