「アカマツ」という使用したことのない木材と初めて向き合った、非常にチャレンジングなプロジェクトでした。家具の一般的な材料は広葉樹。スギやヒノキ、マツなどの針葉樹は広葉樹に比べて強度や表面硬度が低く、傷が付きやすい特性があります。今回、資材部門として苦労したのは、扱いづらい木材であることに加え、材料として提供いただいたアカマツ材の量が限られていたこと。良材を薄くひき割り、強度の高い芯材と組み合わせる「ひき板接着」の技術を駆使し、オーダーされた家具をすべて製造できるよう努めました。また、反りなどの変形やヤニといった針葉樹ならではの課題も多く、一つひとつを確実にクリアすることにも注力しました。
カリモクは、国産広葉樹の小径木を有効活用する「Karimoku New Standard」コレクション、針葉樹のヒノキを使用した「MAS」コレクション、日本各地の里山の木々を活かした家具づくりなど、森林保全や木の循環への貢献をめざした製品開発・環境活動に励んでいます。そうした経験や長年培った木材加工の技術を応用し、今回、アカマツ材も美しい家具に再生させることができたと感じています。